載籍浩瀚

積んで詰む

『神様になった日』初回感想

愚かな人類の選択のせいで世界は終わる――。 

  一か月後に世界が終わる。それを知っているのは世界で自分だけで、自分のそばには「神」と名乗る謎の少女がついてくる。

 『CLANNAD』や『Angel Beats!』を語った麻枝准というシナリオライターが、原点に立ち返って作った物語だ。

 

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第一話感想

たっくさんの宝石を詰めた、宝箱のような思い出となった。

 物語はいきなり神様と名乗る少女の回想から始まる。CLANNADでいう幻想世界みたいなところに居座った神は、物語の全てを見渡して「なにもかもが新鮮じゃった」と呟く。映画監督が座るような折り畳みの椅子に座って、誰かのインタビューに答えるように。そうして、舞台を日本のどこかの夏へと移す。

 そして神が地上に降臨する。「全知全能」を自称し、「オーディン」と名乗るその少女は高校三年生で幼馴染に片恋慕している成神陽太という少年の前に現れる。

 オリジナルアニメの第一話に必要なのは、引きと説明だ。この先も視聴者に見てもらうための引きと、原作者を除いて誰も知ることのない世界観の説明。それをなさなければ、視聴者は置いてけぼりになり離れていく。しかし『神様になった日』というアニメは、この点をしっかりと満たした状態で一話を閉じた。あまりに上手に、テンポよく。

 諏訪盆地とか中央本線とか固有名詞が出ている以上舞台は日本だし、ストーリーの基本的な進め方は、片思いし続けている幼馴染を神の力を使って振り向かせることにある。だから一話で幼馴染にフラれるのは当たり前だし、神様が陽太のそばに居続けることにも疑問を挟む余地はない。ただし少女が神様でなければの話だが。

  麻枝准の作品のノルマの一つである野球回を一話でこなし、彼特有のハイテンションギャグを挟み続ける。ちょっといい雰囲気になるかと思いきや、その雰囲気をぶち壊す。その節々にキャラクターの説明や背景を入れていく。この緩急は麻枝作品でしか味わえない麻薬みたいなもので、物語における麻枝節の一つだと思う。麻枝准という劇薬に侵されたファンは、これだけでとぶことができる。とんで第一話に満足して、ゆっくりと第二話を待つことができる。ただし世界が終わらなければの話だが。

 少女が神様で、世界が終末に向かうから、視聴者は続きを求める。物語の続きへの求心力が生まれる。あまりにも強い引きで、上手な一話だと思う。

 

少女は神か

わしは全てを知っておる。それだけのことじゃ。

 少女について喋りたいけど、あまりに謎すぎるし、なにより麻枝作品って謎を全部回収するかと言ったらそうじゃないから考えたくない。考えたくないけど、あからさまな伏線っぽいのはいくつかあったので、とりあえずまとめておく。

  • 心を読むことができる

  少なくとも、成神陽太の心を見透かすことはできるのだろう。

  • 未来を知っている

 雨の話、バスの話、競馬の話で分かるのは未来を知っているということだけ。大局的な世界への干渉はできないと思う。できるのなら傘を買うのではなく雨を止ませればいいし。あと存在しなかった五球目の話が気になる。世界線の話?

  • 全知ではない

 バスケットボールや野球のルールを知らなかったり、競馬についても無知だった以上なんでも知っているわけではない。

  • 全知である

 幼馴染の情報を握っていたし色々知っているんだと思うけど、知っていることと知らないことの線引きが分からん。幼馴染の知り合いだったオチに一票だけど......。

  • 局所的に世界に干渉できる

 居候したり、野球部を意のままに動かしたりしている以上、陽太の周囲なら動かせるのかもしれない。弱体化ハルヒみたいな。

  • 神様になった日

 まだ神様になっていない?

 

 ハルヒとか、それこそ陽菜とかみたいな神秘的存在ではなさそうではある。

 なんも分からんけど、多分最後までなんも分からないんだと思う。Charlotteの時も結局なんで能力が発動したかとかよくわからないまま終わったし。CLANNADだって幻想世界とのつながり分からんし、AIRも公式に説明はされてないし。クリフハンガーみたいにして終わるんだと思う。つまりファンが勝手に考察して公式設定にする部分。

 

麻枝准の原点

われは全知の神である。

 なんか原点に立ち返る作品らしい。麻枝准の原点ってどこ?って感じだが『AIR』とか『CLANNAD』とかなんだろうか。それとも久弥直樹に師事していた『MOON.』『ONE』『KANON』とか。個人的には「Love Song」シリーズとかの世界観を原点にしてくれてたらうれしいけど、多分『AIR』と『CLANNAD』だろうなという気がする。神がめちゃくちゃ出てくるのは「Love Song」だから可能性はある。特報PVみたいなのにも流れてたし。ぜひ手に取って聴いてほしい。めちゃくちゃ良いアルバムなので。

 

まとめ~或いはゼロ年代オタクの亡霊の話~

無駄じゃぞ。勉強したところで無駄じゃと言っておる。

 今は2020年らしいですが、なんと今期アニメの原作執筆陣には麻枝准だけじゃなく、『車輪の国、向日葵の少女』や『G線上の魔王』のるーすぼーいとか、『ひぐらしのなく頃に業』で竜騎士07とかいるらしい。それだけじゃなくて、『ハヤテのごとく!』の畑健二郎とか『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』の入間人間とかもいる。この時期だけタイムスリップした可能性もあるし、なんか久しぶりにアニメを見よっかなという気分になっています。世界が終わるんかもしれん。

 初回で感極まってオタクの長文早口感想を書き散らしてしまいましたが、多分二話以降は大人しく見ます。全部終わったら感想を書きます。

 なにはともあれ、最後までめちゃくちゃ面白い作品であることを願う。

 俺たちの麻枝准が帰ってきた!!!!!

 

youtu.be

 

青山剛昌『名探偵コナン』五十一巻〜六十巻

 名作ミステリ漫画『名探偵コナン』。作者である青山剛昌はミステリというよりラブコメなんて言っちゃってるが、実際にはミステリとして出来がいい作品も多い。

 そこでA〜Eという評価軸に物語の良し悪しの+/-を加えて既刊を振り返っていきたい。

 ◯は黒ずくめ登場回。

 

第五十一巻

FILE.2-3 お魚メールの追跡 D

 

FILE.4-6 ため息潮干狩り D+

 

FILE.7-8 ロシアンブルーの秘密 D

 ギャル語と三毛猫ホームズ

 

FILE.9-11 封印された洋窓 D

 

第五十二巻 

FILE.1-2 因縁と友情の試写会 D+
 自分の存在と因縁をほのめかす=?

 

FILE.3-5 本庁の刑事恋物語[偽りのウェディング] D

 

FILE.6-8 ひっくり返った結末 D-

 

FILE.9-11 園子の赤いハンカチ E

 京極さん強すぎる。

 

第五十三巻

FILE.1-4 怪盗キッドと四名画 D

 名画消失トリックは面白い。

 

FILE.5-6 1年B組大作戦! C
 コナン日常の謎傑作選回。怪人二百人面相の暗号vs少年探偵団。

 

FILE.7-9 黒の組織の影[幼い目撃者/奇妙な照明] D-

 

FILE.10-FILE.2 黒の組織の影[謎の高額報酬/真珠の流れ星] D-

 

第五十四巻

FILE.3-5 割れない雪だるま D-

 

FILE.6-8 服部平次との三日間[1] D

 

FILE.9-FILE.2 服部平次との三日間[2] D+
 東西南北の高校生名探偵を集めて推理合戦。でもトリックどうなん......?

 

第五十五巻

FILE.3-5 元太の必殺シュート D

 

FILE.6-9 工藤新一少年の冒険 D+

FILE.10-11 妃英理弁護士の恋 C+
 蘭のお母さんが浮気?!ということで浮気相手と思しき男を調べるのだが......。人物の正体を些細な手がかりから導き出すのマジで好き。そして青山先生はそれが上手い。

 

第五十六巻

FILE.1-3 本庁の刑事恋物語8[左手の薬指] D

 

FILE.4-6 山姥の刃物 D

 

FILE.7-9 黒い写真の行方 D

 

FILE.10-11 赤と黒のクラッシュ[発端/血縁] D-

 

第五十七巻

FILE.1-4 赤と黒のクラッシュ[血縁/絶叫/冥土] D+

 トリック自体は面白いけど被害者は本当に回避できなかったのだろうか。

 

FILE.5-7 テレビ局の悪魔 D

 

FILE.8 逃亡者 D

 日常回

 

FILE.9-FILE.1 赤と黒のクラッシュ [昏睡/侵入] D+
 論理の立て方は悪くない。

 

第五十八巻

FILE.2-7 赤と黒のクラッシュ[覚醒/攪乱/偽装/遺言/嫌疑] B

 サスペンスの傑作。赤井秀一&コナン率いるFBIと黒の組織の騙し合いが楽しい。今までの本堂に対する手がかりから、キールとの血縁関係を暴くラストも見事。

 

FILE.8-FILE.1 赤と黒のクラッシュ[嫌疑/潔白/決死/殉職] D

 

第五十九巻

FILE.2-4 弁護士妃英理の証言 D

 

FILE.5-10 風林火山 迷宮の鎧武者/陰と雷光の決着 D

 珍しく話数をかけたわりにパッとしなかった。

 

FILE.11-FILE.2 カラオケBOXの死角 D-

 

第六十巻

FILE.3-5 赤白黄色と探偵団/W暗号ミステリー D


FILE.6-8 都市伝説の正体 D-

 流石に某名作のパクリはまずいよ.......。

 

FILE.9-11 殺意はコーヒーの香り C

 「密室」に囚われたミステリオタクに捧げられた、物悲しい一品。コナンらしい。

 

名探偵コナン (58) (少年サンデーコミックス)



 


 

 

 

 

青山剛昌『名探偵コナン』四十一巻〜五十巻

 名作ミステリ漫画『名探偵コナン』。作者である青山剛昌はミステリというよりラブコメなんて言っちゃってるが、実際にはミステリとして出来がいい作品も多い。

 そこでA〜Eという評価軸に物語の良し悪しの+/-を加えて既刊を振り返っていきたい。

 ◯は黒ずくめ登場回。

 

第四十一巻

FILE.3-6 東都現像所の秘密 D


FILE.7-9 4台のポルシェ D

 

FILE.10-FILE.1 トイレに隠した秘密 D


第四十二巻

FILE.2-FILE.4 コンビニの落とし穴 D+
 やっぱ蘭も推理するんだね......。

 

FILE.5-10 ◯黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー C+
 vsベルモット編。魑魅魍魎が跋扈した奇奇怪怪な夜にふさわしい“化かしあい”が楽しめる。

 

FILE.11-FILE.2 お尻のマークを探せ! D-

 

第四十三巻

FILE.3-5 忘れられた携帯電話 D+

FILE.6-9 どっちの推理ショー D+

FILE.10-FILE.3 甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い C+
 暗号の直球勝負。平次の初期エピといえば人魚とこれ。

 

第四十四巻

FILE.4-6 本庁の刑事恋物語6 D

 

FILE.7-10 怪盗キッドの驚異空中歩行 D+

FILE.11-FILE.2 帝丹高校学校階段 D

 

第四十五巻

FILE.3-5 丸見え埠頭の惨劇 C+

 サブタイ通り、衆人環視の密室。釣りならではのある現象を使ったトリックからの犯人の絞り込みが見事。

 

FILE.6-8 物言わぬ航路 D

 

FILE.9-FILE.1 星と煙草の暗号 D-

 

第四十六巻

FILE.2-6 ストラディバリウスの不協和音[前奏曲/間奏曲/後奏曲] D+

 最初と最後がうまく閉まっているのが良い。

 

FILE.7-10 奇抜な屋敷の大冒険[封印編/絡繰編/解決編] C+
 怪盗キッドvs少年探偵団vs謎の暗号&絡繰。

 

FILE.11-FILE.4 奇妙な一家の依頼 疑惑を持った蘭 D-

第四十七巻

FILE.5-7 宝石強盗現行犯 D+

 超絶奇想。

 

FILE.8-11 コナン・平次の推理マジック[仕掛編/館編/解決編] D


第四十八巻

FILE.1-3 神社鳥居ビックリ暗号 D+

 

FILE.4-8 仏滅に出る悪霊[事件編/疑惑編/解決編] D-

 

FILE.9-FILE.4 ◯ブラックインパクト! 組織の手が届く瞬間 D+

 最初に出てくる事件は些細なモノだけど、黒の組織とのバトルでの暗合の解き方が上手い。


第四十九巻

FILE.5-7 超秘密の通学路 D-

 

FILE.8-10 もう戻れない二人 D-

 

第五十巻

FILE.1-4 本庁の刑事恋物語7 D+

FILE.5-7 探偵団に注目取材 D-

 

FILE.8-FILE.1 平次の思い出 C+
 新一&平次の初陣。スタントの存在はともかく、被害者がいた場所と、周りの環境の使い方が良い。また雪女伝説が良い味出している。

 

名探偵コナン(42) (少年サンデーコミックス)

 

青山剛昌『名探偵コナン』三十一巻〜四十巻

 名作ミステリ漫画『名探偵コナン』。作者である青山剛昌はミステリというよりラブコメなんて言っちゃってるが、実際にはミステリとして出来がいい作品も多い。

 そこでA〜Eという評価軸に物語の良し悪しの+/-を加えて既刊を振り返っていきたい。

 ◯は黒ずくめ登場回。

 

第三十一巻

FILE.2-4 毛利小五郎のニセ者 D


FILE.5-7 網にかかった謎 D

 

FILE.8-10 大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城[1] D

 

FILE.11-FILE.4 大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城[2] C+

 傘のダイイングメッセージはともかく、アリバイ作りのトリックとその瑕疵が面白かった。服部の親父さんがかっこいい。


第三十二巻

FILE.5-7 アイドルたちの秘密 D-

 

FILE.8-10 シカゴから来た男 C

 パンダカーの暗号が面白い。最後の車を囲うやつ、テネットでも見た(というかテネット見たときにこれを思い出した)

 

FILE.11-FILE.2 本庁の刑事恋物語4 C

 目撃証言が全て食い違う謎を、パズルみたいにピースをはめていく様がいい。

 

第三十三巻

FILE.3-6 バレンタインの真実 C+

 双子トリックとか見えない登場人物とかそういうのは色々あるけど、このタイプはなかなかない。新鮮な驚き。


FILE.7-9 犯罪の忘れ形見 D

 

FILE.10-FILE.1 隠して急いで省略 D-

 

第三十四巻

FILE.2-4 西の名探偵vs英語教師 D+

FILE.5-7 迷宮のフーリガン D

 

FILE.8-10 中華街 雨のデジャヴ D

 

FILE.11-FILE.4 工藤新一NYの事件 A+
 ミステリとしても、物語としてもトップ級に面白い。レーザーサイトのひっくり返しから始まった推理が、舞台に残る違和感から完璧に犯人を特定している。ドミノ倒しのように次々と明らかになっていく様は見事。傑作。

 

第三十五巻 

FILE.5-7 幽霊屋敷の真実 D

 

FILE.8-10 迷いの森の光彦 D+
 コナン日常の謎エピソード集とかあったら絶対入れたい一作。

 

FILE.11-FILE.4 孤島の姫と竜宮城 C

 満潮に見せかけるトリックが見事。暗号もなかなかにひねられていた。

 

第三十六巻

FILE.5-7 悪意と聖者の行進 D

 

FILE.8-FILE.1 揺れる警視庁 1200万人の人質 B+
 松田刑事が出てくる回。次々と出てくる暗号がとても魅力的だ。あと、実質本庁の刑事恋物語5。

 

第三十七巻

FILE.2-4 見えない容疑者 C+
 あまりに小五郎がかっこよすぎる。トリック自体はものすごくシンプルだが、シンプルの積み重ねによっていい味が出ている一作。

 

FILE.5-7 ◯残された声なき足跡 D

 

FILE.8-FILE.1 ◯黒の組織との接触[交渉編/追跡編/決死編] D

第三十八巻

FILE.2-4 夕陽に染まった雛人形 D

 

FILE.5-7 汚れた覆面ヒーロー D

 

FILE.8-10 服部平次絶体絶命!C

 これも小学生くらいで読んだとき、あまりに感動して自分で同じタイプの暗号を作った覚えがある。

 

第三十九巻

FILE.1-5 炎の中に赤い馬 C-

 ABC殺人事件のオマージュ。

 

FILE.6-8 お金で買えない友情 D

 

FILE.9-11 小さな依頼者 D+

第四十巻

FILE.1-3 本庁の刑事物語5D+

FILE.4-6 疑惑の辛口カレー D

 

FILE.7-9 イチョウ色の初恋 C+
 名探偵コナン日常の謎傑作選があったら入れたいやつ二個目。小学生が考えそうな暗号の使い方が上手い。めちゃくちゃいい話。

 

FILE.10-FILE.3 似た者プリンセス D+
 一流の弁護士である妃先生はともかく、工藤優作の妻ともなれば推理力もつくものなんだろうな......。

 

名探偵コナン(35) (少年サンデーコミックス)

 

青山剛昌『名探偵コナン』二十六巻〜三十巻

 名作ミステリ漫画『名探偵コナン』。作者である青山剛昌はミステリというよりラブコメなんて言っちゃってるが、実際にはミステリとして出来がいい作品も多い。

 そこでA〜Eという評価軸に物語の良し悪しの+/-を加えて既刊を振り返っていきたい。

 ◯は黒ずくめ登場回。

 

第二十六巻

FILE.1-4 命がけの復活 [第3の選択/黒衣の騎士] D+

 工藤新一が謎を解く回は全部面白いんだよな。青酸カリと氷を使ったシンプルなトリック。新一に言わせた通り氷はミステリのトリックでも初歩中の初歩なんだけど、コナンではあんまり使われないよな。

 

FILE.5-7 命がけの復活 [帰ってきた新一…&約束の場所] D+
 これも新一の回。ただこっちに関してはさすがにラストシーンの方が印象深い。コナンに戻ってしまった新一が蘭に告げる言葉、いいよね。

 

FILE.8-10 意味深なオルゴール D

 暗号はともかく、作中のトリックは本陣殺人事件ばりの複雑な屋敷用トリック。それはそれとして早く走る老人の影の謎は面白い。

 

第二十七巻

FILE.1-3 容疑者・毛利小五郎 C

 シンプルだけに説得力の高い密室トリック。それと謎の「ハヤシ2」のメモ。毛利小五郎と妃英理の関係結構好きなんだよな。

 

FILE.4-6 本庁の刑事恋物語3 D+
 佐藤刑事の父が最後に残した謎の言葉と、今の東京を荒らす謎の放火魔、どっちもパッとしない出来ながら、高木刑事が頑張ったおかげでそこそこのクオリティになっている。でもカンオの謎はさあ......。


FILE.7-9 バトルゲームの罠 C

 「先入観」を使ったいいトリック。もちろん本腰入れて調べればすぐに犯人は分かるんだけど、それでもその先入観を裏返す手法はお見事。ジョディ先生の初登場。

 

FILE.10-FILE.2 きのこと熊と探偵団 D

 知られたい人にしか知られないようにするのが暗号。当たり前だけど暗号のあるべき姿はこれだということが分かる一作。

 

第二十八巻

FILE.3-5 偽りだらけの依頼人 D

 平次ママの登場。コナンでは新キャラが登場するたび不審者として登場しないといけないルールでもあるんか。

 

FILE.6-10 そして人魚はいなくなった B+

 最高。現実的でないことを除けばすごいミステリ。あり得ないことを消去し続けた先に残るのがどんなに信じられなくても真実、というホームズの名句を使った一作だけど、これもありえないことだろと思わんこともない。

 

FILE.11-FILE.2 封印された目暮の秘密 D

 目暮警部の帽子の謎が明かされる。おじさんがかっこいい回は名作。

 

第二十九巻

FILE.3-5 ◯謎めいた乗客 D

 その伝え方は流石にバレバレやろ。

 

FILE.6-8 消えなかった証拠 D

 犬って耳はいいんだろうか。

 

FILE.9-11 大阪三つの"K"事件 D

 人魚のときの返歌。あのトリックを二回で決めるコナンくんよ。

 

第三十巻

FILE.1-3 新幹線護送事件 D

 これもまあなんとも言えない暗号......。

 

FILE.4-7 集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド B+
 暗号続きの中ではこれが一番良かった。殺人犯の特定も、暗号の正体も、うまく決まっていたと思う。

 

名探偵コナン(26) (少年サンデーコミックス)



青山剛昌『名探偵コナン』二十一巻〜二十五巻

 名作ミステリ漫画『名探偵コナン』。作者である青山剛昌はミステリというよりラブコメなんて言っちゃってるが、実際にはミステリとして出来がいい作品も多い。

 そこでA〜Eという評価軸に物語の良し悪しの+/-を加えて既刊を振り返っていきたい。

 ◯は黒ずくめ登場回。

 

第二十一巻

FILE.4-7 空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件 C+

 数あるコナンの名作エピソードの中でトップクラスに好きな話。サブタイトルが「最初の挨拶」とホームズをパロりつつ、飛行機の中での事件という『雲をつかむ死』をパロるような贅沢三昧。使われた凶器自体も盲点だし、それに気づいたきっかけがシャーロック・ホームズばりの観察力だというのがいい。乾いた血痕、裏返しになったポケットとかそういう細かい部分が示す真相も好き。

 

FILE.8-10 本庁の刑事恋物語 D

 白鳥警部と佐藤刑事が本格的に関わってくる。事件自体はしょぼいけど、翻弄される高木刑事が見れるよ。

 

FILE.11-FILE.3 結婚前夜の密室事件 C

 見せかけのトリックと本命の手がかりの分離の仕方が上手い。とはいえ密室のこじ開け方にロマンがない。

 

第二十二巻

FILE4.-FILE.7 上野発北斗星3号 D

 昔書いた小説通りにことが運んでいく事件の謎を解くというもの。全く同じ通りに進む奇妙な雰囲気については夏冬感が漂ってるよね。

 

FILE.8-FILE.10 園子のアブない夏物語 D

 なぜ執拗に園子を狙うのかというのに、盗撮されたって勘違いするのは分かるんだけど、じゃあなぜ勘違いしたかというのが面白かった。京極真さま初登場。

 

第二十三巻

FILE.1-3 最後の上映殺人事件 C

 ピンボケの手がかりが上手い。かなり納得感のあるトリックだけど、今はもう出来ないトリック......。

 

FILE.4-9 二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 C+
 最後の古川大のオチが好き。被害者に見せかけた犯人という手法、コナンではこういう長編モノでやりがち。

 

FILE.10-FILE.2 本庁の刑事恋物語2 D+

 タイムリミットまでに事件の真犯人を探す高木刑事と佐藤刑事の物語。サスペンスとして面白い。ただこのトリックも似たようなやつが過去にあったけど......。

 

第二十四巻

FILE.3-6 暗闇の中の死角 C

 消去法推理のお手本みたいな作品。

 

FILE.7-11 ◯黒の組織との再会 D+
 事件そのものは大したことがない。ハンカチの使い方はちょっとおしゃれだけど。それよりも話自体が面白い。雪の上に散る血、いいよね。

 

第二十五巻

FILE.1-3 よみがえる死の伝言 B

 暗号風なダイイングメッセージ自体が面白い。あと、アリバイを示すために用意したトリックも秀逸。

 

FILE.4-8 鳥取クモ屋敷の怪 D+
 最後のオチが素晴らしい。事件の密室トリックとかは相変わらずすごい複雑な物理トリックだけど......。

 

FILE.9-11 命がけの復活 [洞窟の探偵団/負傷した名探偵] C

 少年探偵団の暗号回。シンプルながらいい暗号。

 

 

名探偵コナン(24) (少年サンデーコミックス)

 

 

青山剛昌『名探偵コナン』十六巻〜二十巻

 名作ミステリ漫画『名探偵コナン』。作者である青山剛昌はミステリというよりラブコメなんて言っちゃってるが、実際にはミステリとして出来がいい作品も多い。

 そこでA〜Eという評価軸に物語の良し悪しの+/-を加えて既刊を振り返っていきたい。

 ◯は黒ずくめ登場回。

 

第十六巻

FILE.4-5 帝丹小学校七不思議事件 D

 小林先生が初登場。このときはまさか小林先生があそこまで出世するとは思わなかった。

 

FILE.6-9 コナンvs怪盗キッド C+
 ホームズの宿敵はモリアーティだが、クロスオーバーでルパンとのライバル関係を築いたように、コナンの宿敵は黒の組織であれど、ライバルにふさわしいのはやはり怪盗キッド。ブラウン神父の名台詞を借りて、颯爽と名探偵の前に現れた怪盗紳士、二人のライバル関係が始まる一作。

 

FILE.10-FILE.2 名陶芸家殺人事件 D

 あの遠隔殺人トリックはさすがに無理あるのではなかろうか......。

 

第十七巻

FILE.3-FILE.5 スキューバダイビング殺人事件 D+

 なんか平次初登場のところでやったトリックと似たようなやトリックを使ってる。ウミヘビの保管方法もマジ?って感じだけど、妃先生の指輪についてはすごい丁寧に描写されてた。

 

FILE.6 強盗犯人入院事件 D

 珍しく一話完結の掌編。面白いけどシュークリームの箱からあそこまで飛躍するんか......。

 

FILE.7-9 盗賊団謎の洋館事件 C

 "時計館"と言わんばかりの洋館に残された暗号の話。パズルっぽくて面白い。

 

FILE.10-FILE2 時代劇俳優殺人事件 D+

 バカトリック。昔読んだときはすげえ〜〜って思った記憶がある。今は違う意味ですげえ〜〜って思った。みんな大好き高木刑事の初登場回(結構遅いね)

 

第十八巻

FILE.3-5 初恋の人思い出事件 D

 今やったら明らかに不自然でバレバレなトリックだし、時代だよなあ......。

 

FILE.6-8 黒の組織から来た女 大学教授殺人事件[1] E+

 偽札の話。灰原哀ちゃん初登場。

FILE.9-FILE.1 ◯黒の組織から来た女 大学教授殺人事件[2] D+
 個人的には灰原哀初登場といえばこっちの事件が思い浮かぶ。チェスのコマと電話を使った密室トリックが光る。

 

第十九巻

FILE.2-FILE.4 ミステリー作家失踪事件 D

 暗号モノの労作。労作なのに、フランスが舞台ってところからあれを連想させる無理ゲーを仕込んでるのはもったいない気も。

 

FILE.5-FILE.8 浪速の連続殺人事件 C+

 冷静に見ると容疑者が一人しかいないので、犯人はあからさまだが、その意外性は作品随一。最後に平次が叫ぶ拳銃の所持が許されるのは警察だけという意味のセリフ、めちゃくちゃ記憶に残る。

 

FILE.9-FILE.1 競技場無差別脅迫事件 D

 犯人の特定の仕方が上手い。そしてなにより灰原さんが可愛い。コ哀とかいう罪深いカップリングよ......。佐藤刑事初登場。

 

第二十巻

FILE.2-6 奇術愛好家殺人事件 D

 またまた糸を使った物理トリックが出てくる。雪密室を作り上げるのだが、よくこんないくつもいくつも思いつくものだな......。

 

FILE.7-9 バスルーム密室事件 C

 さりげなく見せた手がかりの使い方がべらぼうに上手い。密室自体はとりわけすごいものでもないけど、証拠の見つけ方が秀逸。

 

FILE.10-FILE.3 青の古城探索事件 D+
 少年探偵団回はワクワクする法則に反しない冒険回。庭にある暗号を解くとお宝が!とかカラクリに支配された古城とかのシンプルさ、いいよね。

 

名探偵コナン(16) (少年サンデーコミックス)