載籍浩瀚

積んで詰む

青山剛昌『名探偵コナン』三十一巻〜四十巻

 名作ミステリ漫画『名探偵コナン』。作者である青山剛昌はミステリというよりラブコメなんて言っちゃってるが、実際にはミステリとして出来がいい作品も多い。

 そこでA〜Eという評価軸に物語の良し悪しの+/-を加えて既刊を振り返っていきたい。

 ◯は黒ずくめ登場回。

 

第三十一巻

FILE.2-4 毛利小五郎のニセ者 D


FILE.5-7 網にかかった謎 D

 

FILE.8-10 大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城[1] D

 

FILE.11-FILE.4 大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城[2] C+

 傘のダイイングメッセージはともかく、アリバイ作りのトリックとその瑕疵が面白かった。服部の親父さんがかっこいい。


第三十二巻

FILE.5-7 アイドルたちの秘密 D-

 

FILE.8-10 シカゴから来た男 C

 パンダカーの暗号が面白い。最後の車を囲うやつ、テネットでも見た(というかテネット見たときにこれを思い出した)

 

FILE.11-FILE.2 本庁の刑事恋物語4 C

 目撃証言が全て食い違う謎を、パズルみたいにピースをはめていく様がいい。

 

第三十三巻

FILE.3-6 バレンタインの真実 C+

 双子トリックとか見えない登場人物とかそういうのは色々あるけど、このタイプはなかなかない。新鮮な驚き。


FILE.7-9 犯罪の忘れ形見 D

 

FILE.10-FILE.1 隠して急いで省略 D-

 

第三十四巻

FILE.2-4 西の名探偵vs英語教師 D+

FILE.5-7 迷宮のフーリガン D

 

FILE.8-10 中華街 雨のデジャヴ D

 

FILE.11-FILE.4 工藤新一NYの事件 A+
 ミステリとしても、物語としてもトップ級に面白い。レーザーサイトのひっくり返しから始まった推理が、舞台に残る違和感から完璧に犯人を特定している。ドミノ倒しのように次々と明らかになっていく様は見事。傑作。

 

第三十五巻 

FILE.5-7 幽霊屋敷の真実 D

 

FILE.8-10 迷いの森の光彦 D+
 コナン日常の謎エピソード集とかあったら絶対入れたい一作。

 

FILE.11-FILE.4 孤島の姫と竜宮城 C

 満潮に見せかけるトリックが見事。暗号もなかなかにひねられていた。

 

第三十六巻

FILE.5-7 悪意と聖者の行進 D

 

FILE.8-FILE.1 揺れる警視庁 1200万人の人質 B+
 松田刑事が出てくる回。次々と出てくる暗号がとても魅力的だ。あと、実質本庁の刑事恋物語5。

 

第三十七巻

FILE.2-4 見えない容疑者 C+
 あまりに小五郎がかっこよすぎる。トリック自体はものすごくシンプルだが、シンプルの積み重ねによっていい味が出ている一作。

 

FILE.5-7 ◯残された声なき足跡 D

 

FILE.8-FILE.1 ◯黒の組織との接触[交渉編/追跡編/決死編] D

第三十八巻

FILE.2-4 夕陽に染まった雛人形 D

 

FILE.5-7 汚れた覆面ヒーロー D

 

FILE.8-10 服部平次絶体絶命!C

 これも小学生くらいで読んだとき、あまりに感動して自分で同じタイプの暗号を作った覚えがある。

 

第三十九巻

FILE.1-5 炎の中に赤い馬 C-

 ABC殺人事件のオマージュ。

 

FILE.6-8 お金で買えない友情 D

 

FILE.9-11 小さな依頼者 D+

第四十巻

FILE.1-3 本庁の刑事物語5D+

FILE.4-6 疑惑の辛口カレー D

 

FILE.7-9 イチョウ色の初恋 C+
 名探偵コナン日常の謎傑作選があったら入れたいやつ二個目。小学生が考えそうな暗号の使い方が上手い。めちゃくちゃいい話。

 

FILE.10-FILE.3 似た者プリンセス D+
 一流の弁護士である妃先生はともかく、工藤優作の妻ともなれば推理力もつくものなんだろうな......。

 

名探偵コナン(35) (少年サンデーコミックス)