載籍浩瀚

積んで詰む

Entries from 2024-01-01 to 1 year

『ダ・ヴィンチ・コード』を読む

パリ旅行のついでに『ダ・ヴィンチ・コード』を再読した。ダン・ブラウンによるラングドンシリーズの二作目、おそらく同世代以前でその名を知らぬもののいない世界的大ベストセラーだ。 しかし読んだ感想は非常に淡白だった。アクションと暗号解読によるサス…

『龍と苺』第一部感想

天才は無自覚に人を傷つけるという。天賦のきらめきを見せつけられたとき、自分にはそれがないと否が応でも自覚してしまうからだ。しかし本当にそうだろうか? 傷つくのは、才能の差に絶望するからではなく、きらめきの底が見えるからではないか? あと少し…

青春映画として読み違う『PERFECT DAYS』

「こんどはこんど、いまはいま」 2023年の劇場納めとして、ヴィム・ヴェンダース監督による一作『PERFECT DAYS』を見た。渋谷周辺のアートトイレを担当するトイレ清掃員平山の、繰り返しているようで徐々に変化する、つまりは平凡な日常の話だ。贅のない、最…

2023年下半期読書録

いろいろとせわしない昨年だったが、なんやかんやここまでたどり着いた。今年は、よりせわしなく、全身全霊をかけるべきことが多くなる予感がひしひしとしているが、まあなんとかなると信じて。 ということで2023年下半期に読んだ本のうち、長編10冊ならびに…